2022.11.24
第二章 エンパシーマーケティングの実現に向けて
利用者と共に創る「51%リリース理論」(後編)
未来を担う若者たちとの“未来創造コラボレーション”

前回のコラムでは、国内における第一次教育改革(標準化教育)の成果と弊害、そして、それら教育カリキュラムの根本的なバージョンアップ「第二次教育改革」(個性を尊重して伸ばし、独創性、創造力を育む教育)の必要性に触れました。

「皆が一丸となり強い国を創るための教育」から、
「一人ひとりが個性を伸ばし、自由に強く生き、育まれた創造力で輝く未来を創るための教育」へ。

今回は後編ということで、教育改革を進めていくための具体的なアプローチ手法やそこ(改革)につなげるストーリー、今我々にできることは何なのか?「51%リリース理論」を教育に組み込むとはどういうことなのか?実際の取組について具体的な事例を交えてお伝えしたいと思います。

未来を担う若者たちとの“未来創造コラボレーション”

教育の現場に「51%リリース理論」を組み込み、
Z世代と一緒に未来を創造する可能性を押し広げる

大事なことなので何度も言いますが、これからの未来を創るのはZ世代以降の人たちです。

そして若者たちが創る未来は希望にあふれています(と、信じたい)。
彼らが持っている多様な価値観を引き出し、豊かな想像力を育んでいくために、私たち大人がやるべきこと、できることはいくつもあるはずです。「大人」と書きましたが、Z世代以前の全ての世代を指して言っています。日本の経済を支えてきた大人たちの”役割”として、その功績を称えつつも過去の成功に縋らず、柔軟に変化を受け止め、先頭に立って改革を進めていかなければなりません。
斯くなる私はX世代。Z世代とは全く異なる経験や価値観で育ったと認識しています。そのためか、Z世代の行動には正直理解し難い部分も多々あります(笑)。ですが、彼らに積極的に関わってきたことで、多くの学びを得たのも事実です。ここで言いたいのは、Z世代に全てを託すのではなく、あらゆる世代が垣根を超え、価値観を共有し、互いに手を取って改革に携わっていかなければ成らないと言うこと。
教育の場は学校の教室の中だけに限定されるものではありません。学校の内部でも、既存のカリキュラムに捉われすぎることなく、個性を伸ばし多様性を育むような教育を実践すべく奮闘している先生たちが全国各地にいます。教室の閉塞感を憂いているのは子どもや保護者たちだけではないのです。

私たちUXDを構成する多様なメンバーをはじめ、問題意識を共有した大人たちが外部からも関わり、子どもたちの主体性を引き出しながら、「豊かな想像力を育む」ためのフレームワークを、実際の教育カリキュラムに実装していくこと。ユーザーたち(この場合は子どもたち)の前向きで自主性のあるエクスペリエンスを通して、学びのあるべきカタチを作り上げていく。まさしく、教育の現場に「51%リリース理論」を組み込んでいくという実践です。
彼らが主体的に関わることで、教科書に書かれた予定調和な“設問と正解”を飛び越えて、我々が思いつきもしなかったような学びのスタイルが生まれてくることでしょう。そして、そんな彼らが育っていったとき、パワフルなユーザーやユニークなクリエイターとして、イノベーティブな市場を牽引していくことになる。そんなワクワクを共有しながら、大人たちのお仕着せではなく、彼らの内側にある「創造性」や「独創性」の引き出しを一緒に開いていくような、多様な学びの場が、実際に動き始めています。

未来を担う若者たちとの“未来創造コラボレーション”

世代呼称は諸説あり具体的な定義はあいまいですが、ここでは、X世代(凡そ40代前半から50代後半)、Y世代(所謂ミレニアル世代:凡そ20代中盤から40代前半)、Z世代:凡そ現年齢25才前後を筆頭にそれ以降(α世代を含む))と定義します。


意を共にするパートナーや教育者とのコラボレーションが
化学反応を起こして新たな「教育改革」の波を全国へ広げていく

そんな取り組みの1つが、九州最大級の音楽イベントと、私たちのUXDとのコラボレーション「宗像フェス×EVOLOVE」です。(2022年6月実施)

宗像フェスは、今でこそ会場もアーティストもビッグなものになりましたが、当初は、花火大会のない宗像市の子どもたちに、花火を見せてあげたいというささやかな地域の思いからスタートしたものでした。子どもたちにワクワクするような体験を1つでも増やしてあげたい、という思いが多くの人たちを巻き込んで、地元を代表するようなカルチャーイベントに育っていったのです。そんな成り立ちに共感し、UXDのEVOLOVEプロジェクトの一環としてフェスに関わらせていただくことにしました。そこで、これまでにフェスに関わってこなかったような子どもたちにも裾野を広げていけるようなプロジェクトを3つ実施したのです。

  • EVOLOVEの「X-minutes city」プロジェクト第2弾として、大学生が地元・宗像をはじめとした九州全域の魅力を発信する「むなかた・九州」自然PR大使
  • 2つの地元の高校(東海大学付属福岡高等学校・久留米市立南筑高等学校)と一緒に、地元をPRする動画を制作。またペットボトルキャップを使ったフェスのロゴ制作やゴミ分別活動などを通じた環境問題へのアプローチ
  • 小学生を対象としたキッズダンスコンテストの実施

なんとなく3つバラバラなイメージを持たれたかもしれませんが、これらのプロジェクトに通底するのは、「音楽フェス」などのカルチャーシーンにあまり馴染みのない若い人たちにも気軽に飛び込めるものであること、そして、自分たちの頭や体、五感をフルに使って何かを外側に向けて発信していくものであるということ。

未来を担う若者たちとの“未来創造コラボレーション”

学びの場、発信の場は学校の中だけにあるのではありません。一緒にモノづくり体験を共有し、社会に向けてメッセージを発していけるチャンスを創出していくことこそ、私たち大人の役割。上記の高校とのコラボレーションは課外授業といった形での取り組みになりましたが、このイベントがきっかけとなってさらなる出会いが広がり、今は、とある高校の家庭科のカリキュラムの中で、UXDとのコラボレーションが始まりつつあります。家庭科って、実はとってもクリエイティブな教科ですよね。その面白さ、楽しさをもっと体感できるようなカリキュラムづくりに挑戦中です。

今まさに教育の現場で求められる“ダイバーシティ・マネジメント”
互いの違いや個性を認め、共有し、体験としてわかちあう。
明るい未来の兆しが見え始めています。

これらの取組のほかにも、学生たちで地域宣伝のためのCMを制作するプロジェクトや留学生たちが多く活躍する大学との協働ブロジェクトなども進行中です。どの企画にも根底にあるのは51%リリース理論の中核となる概念、年代や地域、国籍、文化の壁を越えて、素晴らしい体験やサービス、コンテンツを「共に創って行く」という思想です。

そして、こういった体験を通じて大人になった若者たちが、真のダイバーシティ・マネジメントを社会に浸透させていくことになるでしょう。時間はまだまだかかると思います。それでも、我々の取組に賛同して頂けるたくさんの教育者、学校関係者、自治体の勇者がいます。みなさんのパワーが結集し、プロジェクトが生まれることで、若者たちが自ら自我を開放し、躍動していくことでしょう。今、そうした明るい未来の兆しが、少しずつ見え始めています。

未来を担う若者たちとの“未来創造コラボレーション”

この一連のEVOLOVEプロジェクトを通じて、どんなプロダクトやサービス、コンテンツが生まれるのか?その先にどんなイノベーションが起こるのか?未来がどのように変わって行くのか?私たちはこれからも、各地方自治体、協賛企業、各年代の学生・学校と共に、未来の創造にチャレンジし続けます。

UXDセンター長 木村健


木村 健 

木村健

アナログ・デジタル問わず、あらゆる媒体で商業広告デザインやプロダクトデザイン、ブランド戦略を展開してきたクリエイターでありマーケター。1990年台半ばからさまざまな企業やクリエイターたちと協業し、コラボレーティブ・イノベーションに果敢に挑戦してきた。UI/UX/インタラクションデザイン領域を最も得意とし、Webメディアやアプリケーションデザイン分野で業界を跨いだインキュベーション活動を行っている。また、2007年頃からWeb/IT領域での教育の現場で講師兼メンターとして未来のクリエイター育成に貢献。
オープンイノベーション・コンソーシアムであるUXDセンターでは、初代センター長として立ち上げから参画。異業種プロフェッショナル集団の求心力である。

UXD Center

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