「防災」イベント 開催レポート
防災のプロとしてYouTubeで大人気の「そなえるTV」高荷さんを講師にお迎えして『おうちdeおウチ Lab.』のオンラインイベントを実施しました。日本に住んでいる以上、多種多様な災害が想定されますので、<防災>は暮らしのテーマとして重要です。
「ハザードマップの存在は知っていても、実際の読み解き方はよく分からない。」「防災グッズは準備しているけど、いざという時にどう動くか考えたことがない。」「夜中に停電したら真っ暗…スマホが手元になかったらどうしたらいいの?」
防災グッズは備えているけど、実は具体的なところは考えてなかった…そんな方にもすぐできる「あなたが今すべき」防災を教えていただきました。
「死なない防災!そなえるTV」 高荷智也さん
『おうちdeおウチ Lab.』のオンラインイベントは、いかがでしたか?
高荷楽しかったです。オンラインのイベントは何度も経験があるのですが、基本的には一方通行で行うことが多かったです。こちらからお話をして、最後に質疑応答を行う運営方法なのですが、おうちdeおウチ Lab.のイベントは司会の方が入ってくださって、パネリストという一般の参加者の方のコメントやQ&Aが随時入ってくるというスタイルが斬新でした。楽しかったですね。
話している途中でコメントが入ったり、質問が来ると、「ここに興味があるのか、こういう所が分かりにくいのか。」といった反応が知れるので、私としても有意義な機会となりました。
参加してくださったラボメンバーさんのコメントが活発でしたよね。質問も飛び交い、皆さんが、真剣に防災について学ぼうとしている様子でした。
普段のイベントやセミナーとの時には、どのような質問が来ますか?
高荷イベントのやり方が、2パターンあります。一つはオンライン防災講演会のようなセミナースタイルです。そのような場合には、セミナーの内容を深掘りする質問が多いです。
もう一つは、私が運営しているYouTubeチャンネル「そなえるTV」にて、定期的に行っている防災ライブというイベントです。そこでは、チャット欄に皆さんの悩みを書き込んでいただくようにしています。チャット欄に書き込まれた質問を読んで、2時間くらい回答し続けるというスタイルです。そのような場合は、他の方の質問を見て「それ、私も知りたかった。」「こういう場合はどうなのでしょうか?」というように、質問から次の質問に広がっていく感じです。
おうちdeおウチ Lab.は、それがハイブリッドになっている印象でした。オンラインイベントの進化系のようなイメージです。今回のイベントも、他の方のコメントや質問内容を見て、「私もそこが知りたかった」「それは気づかなかったけれど、確かに!」といったようなライブ感があり、それがイベント全体の楽しさに繋がったと感じました。そういう意味でも、おうちdeおウチ Lab.のラボメンバーさんによる「パネリスト」の仕組みって良いなと思いました。
ゾンビの世界になった時のサバイバルの本を出していらっしゃいますが、どのようなところから、そのようなアイデアが湧くのでしょうか?
高荷防災対策というのは、エンタメの要素があった方がいいと思っています。防災そのものの話には興味がないけれども、ゾンビの話なら聞いても良いという方もいらっしゃいます。ゾンビの話を聞いていたら、その中で防災対策の話が終わっていたということで良いのではないでしょうか。防災を考えるきっかけとして、面白いという入り口を作りたいと思って、本を出したりしています。
ここ数年、100年に一度とか史上初といった災害に関するニュースを目にすることが多いので、防災に対する意識は高まっているのではないかと思いますが、いかがですか?
高荷災害に対する意欲や熱意は、大規模な災害の直後に高まるのです。東日本大震災や熊本地震といった災害規模です。しかし最近は幸いなことに、その規模の巨大災害が起きていないため、防災意識は下火だと感じています。コロナのパンデミックは社会的な混乱が大きかったのですが、自然災害の脅威とは違う種類の脅威であったため、自然災害が起きた時に「命を守るための対策」に関する意識が低下したように感じます。
コロナが収束していけば、気持ちが外向きになり旅行に行ったり、今まで我慢してきた楽しいことをしたいとあれこれ考えるようなマインドに変わってくると思います。しかし、2023年は東日本大震災から12年、関東大震災から100年が経ちますので、そんな中でも、楽しく、防災に備えていただきたいですね。首都直下型地震や南海トラフが想定されていますので、その規模で大災害が起こった時のために、家の防災対策、家族の安否、避難場所などを今一度、確認していただきたいと思いつつ活動をしていきたいと思っています。
『おうちdeおウチ Lab.』は、「学びと創造を繰り返しながら、暮らしをアップデートしていく」というテーマで色々な企画を実施しているのですが、また今度ご一緒させていただけるとしたら、どんな企画にご興味がありますか?
高荷食料備蓄に関する本を出版したばかりなのですが、非常食をテーマにした内容でやってみたいと思いました。防災対策の中でも、非常食への関心は高いですし、実際にローリングストックをやってみようと思うと悩む方も多いので、食料備蓄について体系的にお話しできる機会があればぜひやってみたいです。
非常食を買い集めてみたものの、気づいたら賞味期限が切れていたり、子供が食べなかったりといった悩みは皆さんお持ちだと思います。ぜひまた企画させてください。ありがとうございました。
Profile
高荷智也合同会社ソナエルワークス代表 / 備え・防災アドバイザー
「備え・防災は日本のライフスタイル」をテーマに「自分と家族が死なないための防災対策」のポイントをロジックで解説するフリーの専門家。大地震や感染症など自然災害への備えから、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災を分かりやすく伝える活動に定評があり、講演・執筆・メディア出演の実績も多い。防災YouTuberとしても多くの動画を配信中。1982年、静岡県生まれ。
【YouTube】死なない防災!そなえるTV 【Voicy】死なない防災!そなえるらじお