vol.27フリーランスカメラマン清水純一さん
UXDセンターは、リビングライフ市場を主戦場とし、DX・デジタルマーケティング領域のパイオニアとなるべく集結した、20社総勢130名が在籍するプロフェッショナル・コンソーシアムです。多種多様なメンバーが集い、それぞれの強みを活かしたサービス・ソリューション開発を行っています。本連載では、UXDセンターで働くメンバーをご紹介します。今回は、暮らしをより楽しく便利にするための研究所『おうちdeおウチ Lab.』でカメラマンを務める清水純一さんにお話を伺いました。
まず、簡単に自己紹介をお願いいたします。
子どもの頃から映画を見るのが好きで、高校卒業後は日本映画学校に進学しました。その頃の主流はフィルム映画だったので、映画の練習のためにフィルムカメラを購入。当時好きだった女の子に作品を見せたところ、「すごく素敵。もっと見せて」と言われたことで写真に熱が入って(笑)。はじめは不純な動機でしたが、いつの間にか映画以上に写真が好きになり、卒業後はフリーランスのフォトグラファーに弟子入りしました。師匠はファッション系のフォトグラファー。アシスタントとして雑誌や広告の撮影について回りましたが、ハードワークできつい毎日でしたね。
3年間勤めた後、大手テーマパークでカメラマンを募集しているのを知り、一度会社員を経験してみるのもいいかもしれないと思い、入社。10年ほど、ウェブサイトやパンフレット、ポスターなどに掲載する写真を撮る仕事をしていました。ただ、年次が上がるにつれて、自分自身が写真を撮影するのではなく、後輩の育成がメインとなり、少しジレンマを感じるようになりました。
改めて自分のカメラマンとしてのキャリアを振り返ってみたとき、ずっと目標にしていたのが「歌手のaikoさんを撮ること」。フリーランス時代、アシスタントだった僕にも声をかけてくれたり、こっそり差し入れをくれたりして。辞めるときも「また会おうね」と言ってくれたんです。それ以降、aikoさんを撮ることが僕の目標でした。このままテーマパークで働いていても、aikoさんを撮ることは叶わないと思い、2017年に独立しました。
趣味や特技などはありますか?
映画は今も好きで、洋画も邦画も、アクションもホラーも、ジャンル問わずなんでも見ます。一番好きな作品は『アバウトタイム』。主人公が過去に戻れる能力があるストーリーで、はじめはコメディタッチで描かれていますが、考えさせられる部分もある映画です。
旅行も大好きですね。コロナ前はバックパッカーとして、カメラを片手に20カ国を周りました。航空券だけもって、宿も決めずに渡り歩いていたので、電車を間違えて知らない場所についたり、スラム街に迷い込みそうになったりなどいろいろなことがありました。ただ、なんだかんだ優しい人たちに助けられて、怖い目に遭わずにすみましたね。人の良さを感じました。一番感動した世界遺産はヴェルサイユ宮殿。マリーアントワネットがここで暮らしていたんだと思うと、すごく興奮しましたね。また海外にも行きたいです。
イスタンブール(トルコ)にて撮影、偶然の出会いをシャッターにおさめる
現在はどのようなお仕事を?
芸能人やアーティストなどの人物写真を中心に撮影しています。もともと映画を作りたかったのもあり、独立してから芸能系Webメディアに自ら売り込みをしたんです。テーマパークでの経験が特殊だったこともあり、はじめのうちは苦労もしましたが、こつこつと実績を重ねるうちにつながりも増え、仕事の幅も広がっていきました。芸能関係のほかにも、ホテルの写真を撮影したり、料理を撮影したり、カメラの講師などを務めたりもしています。コロナ禍になってからは、動画の仕事も開始。映画の知識も活かしながら仕事をしています。
人物を撮るのが一番楽しいですし、これからもメインに据えていきたいと考えています。人を撮るときは、1対1の関係。最初は全然いい表情を引き出せなかったのに、コミュニケーションを取っていくうちに、どんどんいい表情になっていくプロセスが好きですね。
モデルさんの魅力を伝える「いい表情」を引き出すのがプロカメラマンの仕事
UXDセンターに関わることになったきっかけは?
『おうちdeおウチ Lab.』のアートディレクターを務める此谷内さんがSNSを通じて連絡をくれたんです。此谷内さんは、僕が正社員時代にテーマパークのWebサイトで制作ご一緒したことがあり、それからのご縁でした。僕が動画の仕事をはじめたとSNSで発信したことで、声をかけてくれたようです。新しいことが好きなので、UXDセンターの仕事についてもありがたくお受けしました。
UXDセンターに入ってからはどんな仕事をしていますか?
『おうちdeおウチ Lab.』が主催するイベントでの撮影をしています。はじめは僕が配信用の撮影をしていましたが、記事として活用するためにも、僕の知り合いの桝中さんもチームに参加。動画配信の撮影と写真撮影で役割分担しています。イベント後には、アーカイブ用の素材動画の撮影をしています。
『おうちdeおウチ Lab.』の面白さは、自分も学べること。整理整頓の方法などは、自宅でも実践していますね。また、講師の先生たちもとても魅力的です。壁紙コーディネーターの村上さんとは何度もお会いするうちに仲良くなって、もはや家にお邪魔するときは「ただいま」「おかえり」を言い合うような関係性になっています(笑)。
仕事のポリシーは?
意識しているのは、目の前の講師の先生やチームメンバーのためではなく、読者の人たちに喜んでもらうために撮影すること。これはテーマパーク時代に教えていただいたことで、ただ場面や人を写すのではなく、それを見る人がどう感じてもらうかまで意識することが大事だと考えています。単純に美しい写真を撮るだけならば、今の時代はスマートフォンででも撮影できますから、プロである自分が携わる意味を常に意識しています。
特に、テイストがぶれないことも心がけています。僕の中では、『おうちdeおウチ Lab.』は「優しさ」や「豊かさ」なんです。実は、この仕事に関わるようになってから自宅の玄関やリビングに花を飾るようになったのですが、こういった小さなことでもイイ気分になりますよね。気分がよくなると、人にも優しくなれます。こんな風に、暮らしが整うことで、人の気持ちはどんどん変わっていけると思うので、『おうちdeおウチ Lab.』の撮影ではそれを上手く表現できたらと考えています。
『おうちdeおウチ Lab.』での撮影風景、読者にどう感じてもらうかを常に意識している
UXDセンターにどんな印象を抱いてますか?
仕事としても、多くを任せていただける環境です。私からも「どのように撮るべきか」「どんな構成で配信したら分かりやすいか」を意見できます。ただ言われた通りに仕事するのではなく、チーム全員で作り上げている感じがとても楽しいですし、やりがいにつながっています。
UXDセンターで今後どんなことに取り組んでいきたいですか?
『おうちdeおウチ Lab.』は、僕が入ってからもどんどん進化しています。どうすればもっとこのプロジェクトを盛り上げることができるだろうか、さらには自分が写真と動画で貢献できることはなにか、常に考えていきたいです。
個人的な目標としては、aikoさんを撮ることが僕の夢です。いつか仕事で会って「カメラマンになれました」と報告して、これまでのお礼をしたいですね。
ありがとうございました!
Profile
清水純一UXDセンター おうちdeおウチ Lab.チーム
日本映画学校卒業後、フォトグラファーのアシスタントを経て、大手テーマパークのコマーシャル部門に転職。Webサイトやパンフレットに掲載する広告を中心に撮影。2017年にフリーランスとして独立。人物写真を中心に、広告、Web、カタログ、動画撮影など幅広く活躍している。2009年には写真展「御苗場」にてロンドン:マイケルホッペンギャラリーのマイケル氏よりレビュアー賞を受賞。
JUNICHI SHIMIZU