vol.9KUROCO株式会社齋藤健太さん
UXDセンターは、リビングライフ市場を主戦場とし、DX・デジタルマーケティング領域のパイオニアとなるべく集結した、20社総勢130名が在籍するプロフェッショナル・コンソーシアムです。多種多様なメンバーが集い、それぞれの強みを活かしたサービス・ソリューション開発を行っています。本連載では、UXDセンターで働くメンバーをご紹介します。今回は、他業種コラボ推進チームの齋藤さんにお話を伺いました。
まず、簡単に自己紹介をお願いいたします。
2006年、新卒で中小企業向けのコンサルティングファームである船井総合研究所に入社しました。配属先は、数百億円、数千億円の会社がターゲットとなる戦略チーム。家電業界や百貨店、飲食店、不動産など、BtoC企業 を中心に担当しました。当時はリーマンショック前でM&Aが盛んだったこともあり、M&A前の企業調査から買収後の統合支援などの仕事に多く携わりました。一方で、化粧品メーカー向けや女性経営者向けのセミナーをスタートアップの人たちと組んで立ち上げる、ということも企画、実行していました。
当時、戦略チームの先輩が大企業クライアントから役員に近い待遇で声をかけられているのを見て、自分もその道を目指すようになりました。しかし2008年にリーマンショックが勃発。大企業で、かつ会社から期待されている幹部社員の方々を見ていると、自分のためというよりは会社のため、そして何より家庭を犠牲にしながら働いている、大変そうな姿を目の当たりにしました。一方でスタートアップやベンチャーで働いている人たちは同じように忙しそうではあったものの、非常にいきいきと楽しそうだったんです。それを見て、自分も独立を意識するようになりました。
2011年に、プライベートで仲良くしていた人が設立した、マーケティングやPRを事業とする会社に転職。しかし参画前に聞いていた状況と実態との乖離が大きく、その後もなかなか成果が上がらず、1年も経たずに退職しました。ただ、その際に何社かクライアントもいたので、自身でまだチャレンジしていこうと、2012年1月に、現在のKUROCO株式会社の前身となる法人を設立し、今に至ります。
また、江戸時代後期から続く「つまみ細工」という伝統工芸の普及活動を行う一般社団法人つまみ細工協会の代表理事も務めています。職人技の伝承を遺し広げるための認定講師育成と講座事業を進めています。
齋藤さんがお子さんの七五三でオーダーメイドした「つまみ細工」の髪飾り
趣味や特技などはありますか?
7歳の女の子と6歳の男の子がいるので、空いた時間があれば子どもと遊んでいます。湘南エリアに住んでいるので、夏は子どもたちと海で遊んだりもしました。最近は、家でできるカラオケを購入して、子どもたちと一緒に歌っています。あまり大きな声を出すと近所迷惑になりますが、おうちでも十分楽しめますね。ちなみに僕の十八番は、レミオロメンの『粉雪』と『3月9日』です。
現在はどのようなお仕事を?
中小企業のデータ分析・活用支援や、ECのコンサルティングを行っています。日本にある約400万事業者のうち、99.7%が中小企業です。日本を支えている存在であるものの、圧倒的にリソースやスキルが足りていません。中小企業を支援するサービスが社会に不可欠だと考えました。
2012年に起業して、さまざまなお客様のコンサルティングを担当する中で、これまでの経験から、自分の強みは、売上を上げるためのデータ分析や活用にあると考えています。データ解析を強みとしている会社は多くありますが、そのデータをビジネスに有効活用できるのは、弊社ならではの強みです。そもそもデータは道具に過ぎず、主はビジネスの解決です。ビジネス推進していくうえで、データをどう分析、活用すれば良いのか、それをひたすらやっています。
ただし、コンサルティング事業だけだと私たちのリソースが足りず、限られたお客様にしかサービスを提供できません。そこで2020年10月より、EC事業向けのデータ可視化ツールサービスをローンチ。ダッシュボードにすることで、企業自身がPDCAを回せるしくみをつくりました。現在はEC向けのみですが、ホテル系や店舗系など、ほかの業態にも展開していきたいと考えています。
齋藤さんの著書 『問題解決のためのデータ分析』、『会社の問題発見、課題設定、問題解決』
UXDセンターに関わることになったきっかけは?
他業種コラボチームで一緒に働いている中村さんが運営するコンサルタントのマッチングサービスで、他社の案件を安井さんとご一緒しました。その頃からUXDセンターの話を耳にしていましたね。組織のマネジメント系統が複雑で、不思議な組織だなと感じたのを覚えています。2020年、他業種とのコラボを進めたいとのことで、正式にオファーをいただき、参画しました。
UXDセンターに入ってからはどんな仕事をしていますか?
参画当初は「まだコラボは早いのでは」という意見がUXDセンター内で出たことで、MA(マーケティングオートメーション)チームで本山さんとご一緒したり、オンライン接客のニーズ調査を担当したり、一時期はPR担当を兼任したりもしました。
2021年に入ってからは、メンバー5人とともに本格的に他業種とのコラボを進めています。具体的には、UXDセンターが持つアセットとアライアンスできる企業を探して、約40社にヒアリング。その後、1社1社と商談し、コラボ先の開拓を進めています。具体的には、中古車販売のFLEXへのMA導入、和食器ブランドたち吉とおうちdeおウチ Lab.とのコラボ、オタフクソースとGuuGooのコラボが実現しました。現在も輸入車ディーラーや家具メーカー、保育園などさまざまな業種とのコラボを進めています。
コラボ推進チームの役割は、各チームとコラボ先、両方の関係を取り持つこと。各チームに任せっきりするのではなく、クライアントの目的をしっかりと把握したうえで、チームにフィードバックすることで、中長期的な関係性を築いていけるように意識しています。
UXDセンターにどんな印象を抱いてますか?
はじめに聞いたときは、さまざまな人たちが関わっているので、どんな組織なのかが理解できませんでした。マネジメントが大変そうな印象を受けましたね。実際に参画した後は、まだまだ組織として成長段階にあるのだと分かりました。UXDセンターのすごいところは、メンバー一人ひとりが“UXD”を自分事として捉えて、自分の強みと周りの強みを融合させて世の中への価値提供ができていること。螺旋のように周りを巻き込みながら成長していく、面白い組織だなと感じています。
現在、他業種とのコラボを進めていく中で、UXDセンター内でもコラボが生まれています。たとえば、和食器ブランドたち吉とのコラボで、おうちdeおウチ Lab.とアイスムとの交流が生まれました。ほかの視点が入ることで、UXDセンター内もどんどん活性化していき、より面白いイノベーションが生まれるのではと考えています。
UXDセンターで今後どんなことに取り組んでいきたいですか?
私たち他業種コラボ推進チームの使命は、コラボをもっとさまざまな業界に拡大し、浸透させていくことです。UXDセンター内外との協業を進めていくことで、相乗効果を生み出していきたいですね。
ありがとうございました!
Profile
齋藤健太UXDセンター 他業種コラボチーム
2006年に株式会社船井総合研究所に入社。主に中堅規模(数百億)以上の企業をメインクライアントとしたプロジェクトに従事。化粧品メーカーや卸・リテール業界など、幅広い業種において、中期経営計画策定やマーケティング戦略の構築、M&Aにおけるビジネスデューデリジェンス等の実績を有する。2012年に独立後も製造業や小売業、サービス業に至るまで大小さまざまな企業の課題発見に従事、成果を上げる。特にデータ分析においては、複数のコンサルファームにもアサインされる実力を有する。その他、AI関連スタートアップや教育関連企業からもデータ分析支援の依頼を数多く受けている。2020年、KUROCO株式会社を設立。著書に、『問題解決のためのデータ分析』、『会社の問題発見、課題設定、問題解決』。教育プラットフォームUdemyでは、2021年9月時点で7,000名を超える受講者を抱える。一般社団法人つまみ細工協会の代表理事として、講師育成および講座事業を行っている。
KUROCO株式会社 一般社団法人つまみ細工協会