vol.8CRAFT株式会社辻井良太さん
UXDセンターは、リビングライフ市場を主戦場とし、DX・デジタルマーケティング領域のパイオニアとなるべく集結した、20社総勢130名が在籍するプロフェッショナル・コンソーシアムです。多種多様なメンバーが集い、それぞれの強みを活かしたサービス・ソリューション開発を行っています。本連載では、UXDセンターで働くメンバーをご紹介します。今回は、SEMチームリーダーとして、UXDセンターの検索連動型広告を牽引する辻井さんにお話を伺いました。
まず、簡単に自己紹介をお願いいたします。
自分が成長できる環境を探し求め、当時14人の規模で「世界にインパクトを与える」と標榜を掲げている株式会社ロックオン(現・株式会社イルグルム)に新卒で入社。ECサイト構築を担当しました。しかし、売上が思うように上がらず、Googleアナリティクスなどを使ってサイトの分析を始めるうちに、広告に関心を持ちます。希望を出して異動し、広告の効果測定ツール・アドエビスや、検索連動型広告運用を自動化するツールの立ち上げや営業に携わりました。
その後、実際に広告の運用をする仕事に興味を持ち、2013年に広告代理店のアナグラム株式会社に転職。検索連動型広告やディスプレイ広告の運用に携わりました。入社した当時は3人しかいなかったのですが、徐々に規模が大きくなり、マネジメントを任されるように。まだまだ現場で活躍したいと考え、2016年CRAFT株式会社を立ち上げました。2018年には、自らの経験やノウハウをもとに、『ネット広告運用打ち手大全』を出版。7刷りのロングセラーとなり、現在は次回作を執筆中です。
趣味や特技などはありますか?
子どもが4人いるので、休日は子育てに追われています。一番上は小3で、一番下が0歳3ヶ月。4人目ですが、子どもたちの成長を見るのは楽しいですね。最近は小学生の子どもと「桃太郎電鉄」というゲームをしています。地理も学べるし、資産形成も学べるし、非常に有益なゲームだなと感じます。ふりがながついているので、子どもでも遊びやすいですね。
現在はどのようなお仕事を?
ディスプレイ広告に特化した支援を行っています。前職では検索連動型広告が中心だったのですが、たまたまディスプレイ広告を担当したときにすごい数のコンバージョンを獲得できたのが面白くて、そのノウハウを活かした会社を設立しました。
ディスプレイ広告は、GoogleやYahoo!、Facebook、Instagramなどあらゆる媒体がありますが、それぞれ管理画面も違えば、設定できる項目もバラバラです。同じように運用しても、大きく数字を伸ばすことはできません。一方で、自動化の時代といえども、設定を1個変えるだけで急激に数字が伸びるような部分が眠っています。運用者側の手腕が試される広告と言えるでしょう。CRAFTは、Googleのディスプレイ広告(GDN)に特化。他社では1人あたり20社以上担当することもザラにあるところを上限3社までにとどめ、研究を重視し、メンバー同士でノウハウを共有することで、確実に成果を伸ばしています。
また、ディスプレイ広告はクリエイティブが非常に重要であり、今後自動化が進めば、ターゲティングによる差別化が難しくなり、クリエイティブの重要性がさらに増していくと考えています。そこで、清澄白河にデザイナー無料のシェアオフィスを設立。レベルの高いデザイナーさんとリアルで対面して発注できる環境を作っています。社員は7人ですが、業務委託で10人のデザイナーがシェアオフィスにいるのは、CRAFTの大きな強みですね。
そのほかにも、シェアオフィス内にあるカフェ事業と、クッキーのWEB販売事業もやっています。もともと食や健康に興味があっていつかやりたいと思っていたところ、UXDチームの本山さんがお菓子の事業をされているということで相談して実現できました。「FruOats(フルオーツ)」というヴィーガン対応オートミールクッキーなのですが、こだわりすぎるくらい、材料にこだわりました。こちらのビジネスも楽しんで取り組んでいます。
UXDセンターに関わることになったきっかけは?
2016年に木村センター長に誘われたのがきっかけです。検索連動型広告を中心としたSEM(※)をなんとかしてほしいというオーダーを受けました。依頼していただいた以上、やるしかないという思いでした。
まず依頼されたのが、アカウント移管プロジェクト。もともとは他社にSEMを外注していたものを、UXDセンター内で運用するにあたり、すべてのアカウントを移管する必要がありました。当時30アカウントくらいあったものを、すべてデータをダウンロードして、アカウントを入稿して、タグをすべて入れ替えました。本当に大変でしたね。
UXDセンターに入ってからはどんな仕事をしていますか?
移管したアカウントで広告運用をしつつ、長谷工グループ各社に広告運用の施策の提案、検証をしています。本山さん率いるMAチームや、長谷工グループ各社などと協業する機会が多いですね。
私自身の強みはディスプレイ広告ですが、UXDセンターでは検索連動型広告を中心としたSEMを任されています。というのも、ディスプレイ広告には向き・不向きの業界があるからです。単価が1000円ほどで手が出しやすいものであれば、衝動的にその場で買ってしまうようなことはありますが、不動産のような高価な買い物はその場ですぐ買うことはありません。そのため、ディスプレイ広告の成果として上がりづらい現状があるのです。とはいえ、成果が可視化できていないだけで、購入者の認知のきっかけがディスプレイ広告だったというような例はありえると思います。現在はMA(マーケティングオートメーション)チームの本山さんと連携を取りながら、データの可視化も進めています。
一般的にSEMは、SEOを含めたマーケティング手法を示す言葉ですが、UXDセンターでは検索連動型広告のことと独自に定義しています。
UXDセンターにどんな印象を抱いてますか?
コンサル出身の方々など、自分が普段出会えない方とお話しできて、すごく勉強になりますね。自分が得意ではないことを得意としていると補完し合えるので、仕事がしやすいです。また普段のようにクライアントワークだけをしていればライバルとなるような方々と一緒にノウハウを共有して、協業することができます。それぞれが成果を出すためにジョインしている、UXDセンターならではだと感じますね。
UXDセンターで今後どんなことに取り組んでいきたいですか?
現在、長谷工グループ独自のデータを使った広告運用の企画を進めています。長谷工が持つデータは、正確な年収や年齢、家族構成が入っているのが強みです。ターゲット層と似た属性に広告を配信できるプロダクトは需要があるのでは、と考えました。マンション以外にも、車や投資など、高年収層をターゲットにした広告に活用できるはずです。次は検証フェーズに入るので、リリースできるよう全力で取り組んでいきます。
また、現在はSEMチームと掲げていますが、ディスプレイ広告などほかの運用型広告にも力を入れていきたいと考えています。不動産業界は、そもそもの商品が高単価であるため、広告の成果が見えづらく、活用が進んでいない現状があります。さまざまな業界で運用をして成果を上げているのが自分の強みだと思うので、そこで得た知見をUXDセンターにいち早く落として、PDCAを回し、よりよい広告の形を追求していきたいです。
ありがとうございました!
Profile
辻井良太UXDセンター SEMチームリーダー
株式会社ロックオン(現・株式会社イルグルム)にてリスティング広告自動入札ツールの導入・コンサルティングを経験後、2013年アナグラム株式会社に入社。検索連動型広告の設計・運用をはじめ、GDN・YDNを中心としたディスプレイ広告の運用で、数々の通販企業の売上アップに貢献する。2016年3月にCRAFT株式会社を設立。クリエイティブ重視の運用型広告と、シェアオフィス事業を手がける。著書に『ネット広告運用“打ち手”大全 成果にこだわるマーケ&販促 最強の戦略102』。
CRAFT株式会社