ユーザー参加型コミュニティプラットフォーム
「おうちdeおウチ Lab.」が目指す
暮らしのアップデートとは

おうちdeおウチ Lab.

長期化するコロナ禍で新しい生活様式へのシフトが進む中、住まいや暮らしに特化して話せるオンラインコミュニティとして開設した「おうちdeおウチ Lab.」。生活者の住まいや暮らしに関する課題意識を知り、新たな価値を創造する場として、2021年8月から第3期の活動をスタートしています。開設からまもなく1年、おうちdeおウチ Lab.が目指す「暮らしのアップデート」とはーー。今回は、プロジェクトマネージャーの永井真理子さんにお話を伺いました。


開設のきっかけは、コロナ禍で顕在化した「暮らし」への課題

新時代における“至高の顧客体験をデザイン”するために、開かれた知の結集体としてのオープンイノベーションを実現する組織として発足したUXDセンターは、新しい価値創造に向けたメディア戦略の実践に取り組んできました。

自分らしい住まいを提案するウェブマガジン『ToKoSie(トコシエ)』、ぐーぐうな暮らしのためのエンタメ動画メディア『GuuGoo(ぐーぐう)』、「食」を楽しみ、笑顔を届けるメディア『アイスム』。どのメディアも読者・視聴者の皆さまや、出演してくださったゲストの方々の体験を通じて、多くの学びを得ながら日々アップデートを重ねています。

2020年10月にスタートした「おうちdeおウチ Lab.」について、開設に至った背景について教えてください。

永井生活者へのニーズ調査(おうちdeおウチ Lab. トライアル調査結果)によって、「暮らし」への様々な課題が顕在化したことがきっかけでした。当時UXDセンターでは、MROC(Marketing Research Online Community)の理論を用いて、ユーザーのニーズを探るプロジェクトを進行していました。マンションの居住者向けの新規事業開発が目的でしたが、コロナ禍での外出の自粛やモデルルームの休館など、住み替え活動が思うように進められないという生活者の声が挙がってきたんです。

そこで、住まいや暮らしをアップデートするために、オンラインイベントを通じた情報共有と「体験」の機会を試験的に提供してみました。コロナ禍で「住まい」や「暮らし」に対する価値観や志向が変化したことで、今後の暮らしをどのように豊かにしていくか、広く情報を得たいという方の参加が過半数。中には、他の参加者が抱える悩みに共感したり、解決方法のヒントを得ることができたという方もいらっしゃいました。

すでに展開されていた3つのメディアで、すでに多くの知見と気付きがあったことも、おうちdeおウチ Lab.にとっては非常にプラスでした。エンタメ要素や学びが融合した体験ができたからこそ、単なる市場調査に留まらず、参加者自身が楽しんでくださったことも印象的でした。

結果として、ご自身の暮らしの場から参加いただくことで見えてきた課題やリアルな声、クローズドなコミュニティでの対話に価値があると考え、『おうちdeおウチ Lab.』をリリースするに至りました。


期間限定で集うコミュニティ。
暮らしの場で語るからこそ見えた本質

おうちdeおウチ Lab.では、暮らしを楽しみ、自分らしい住まいづくりをしたいと考える方々をラボメンバーとして募集し、3ヶ月間の任期の中でコミュニティを利用していただきます。第1期・第2期ともに一般公募でラボメンバーを募集したところ、それぞれ約100名近くの参加者で活動を実施することができました。

ユーザー参加型コミュニティプラットフォーム「おうちdeおウチ Lab.」が目指す暮らしのアップデートとは

ディスプレイデザイナー・インテリアスタイリスト みつまともこ様

具体的な活動内容や、実施しているイベントについて教えてください。

永井現在、住まい、食、家電、移住など、暮らしに関するテーマに合わせて、ゲストをお招きしたオンラインイベントを実施しています。イベントへの参加方法は自由で、家事の間に『聞くだけ』でも構いませんし、ご家族と一緒に参加することも可能です。ゲストが一方的にレクチャーするのではなく、イベント中には投票やアンケートを実施し、参加者からのコメントも受け付けています。イベント終了後には座談会を用意しているので、ゲストに直接質問や相談をしたり、参加者同士でディスカッションできる仕組みです。

例えば、防災クッキングのイベントでは、災害時に役立つレシピ3品をゲストの先生と一緒にイベント時間内で作ることができ、とても好評でした。お子さんと一緒に参加することで、防災意識が高まったというコメントもありました。これまでに開催したイベントは20件を超えており、今後も生活者が困っていることや、期待していることをテーマに活動していく予定です。

ユーザー参加型コミュニティプラットフォーム「おうちdeおウチ Lab.」が目指す暮らしのアップデートとは

防災食のスペシャリスト 今泉マユ子様

私たちの活動のポイントは、生活者がご自身の「暮らしの場」から参加できることだと思います。コミュニティ運営を通して改めて認識したことですが、参加者が必要としているのは、より自分に近い「生活者視点」のリアルな情報です。実際の暮らしの場で語るからこそ、見えてくる本質があるんだなと改めて気付かされました。


あなたの「声」が誰かの役に立つことも。
生活者の一員として発信することの価値

第1期、第2期を経て、たくさんのラボメンバーと出会い、多様な価値観に触れることができたことで、一方通行のコミュニケーションではなく、ゲストや他の参加者との対話にも価値があることがわかりました。活動中に見えてきたのは、暮らしに工夫を重ねるメンバーの声と新たな「原動力」でした。

おうちdeおウチ Lab.での活動に参加いただいたラボメンバーの反応はいかがですか?

永井活動を通じて『曖昧だった理想の暮らしが少し明確になった』という声や、ゲストや参加者同士の対話を通じて『わかってくれる人が居ただけで心が軽くなった』『これなら私にもできそう』という声が出てきたんです。一歩先で理想の暮らしを実現している人や、同じ悩みを抱えている人の声を参考にすることで、『やってみよう』という原動力が生まれたのだと思います。

ユーザー参加型コミュニティプラットフォーム「おうちdeおウチ Lab.」が目指す暮らしのアップデートとは

国立市のイタリアンレストラン「Casa di Camino」 川上春樹シェフ

「暮らしのアップデート」というキーワードに込めた想いがあれば教えてください。

永井結婚や出産・育児、人事異動や転職など、ライフステージと環境の変化によって、働き方や暮らし方は大きく変化します。もちろん、決まった正解なんてありません。私自身、出産・育児を経験した際に、理想とする働き方や暮らし方ができなくなってしまうことが怖く、自分らしい暮らし方を我慢していた時期がありました。家族と楽しく過ごす時間を増やすために、どう生活するかを考えてみたこともあります。

正解がないからこそ、暮らし方はもっと自由でいいし、無限大にアップデートできるものだと信じています。より自分らしい暮らし方を模索する方にとって、理想のプラットフォームになれるよう、私たちの活動もアップデートしていきたいです。


おうちdeおウチ Lab. で生まれた意見やアイデアを世界へ

現在、おうちdeおウチ Lab.では第3期の活動がスタートしています。これまでの活動を通して参加者の方々と暮らしのアップデートを目指す中で、多くのアイデアと意見をいただくこともできました。

ユーザー参加型コミュニティプラットフォーム「おうちdeおウチ Lab.」が目指す暮らしのアップデートとは

花と観葉植物を取り扱う「farver」「conduit」オーナー 渡辺礼人様

今後の目標について教えてください。

永井おかげさまで活動を開始して以来、コミュニティの規模は順調に拡大しています。以前は限定したメンバーでイベントを企画運営していましたが、現在はメンバーの制限を設けず、参加者同士の対話や意見交換の機会を増やし、関係性の拡張を目指しています。

会議室に生活者を集めて拾い上げた意見とは異なり、おうちdeおウチ Lab.では「生の声」を聞くことができます。『生活者視点』のリアルな情報から得たコミュニティでの『学び』を、メディアを用いて世の中に伝えていくことで、もっと暮らしを豊かに、自由に楽しめるような社会を実現するプラットフォームになることが最終的な目標です。


「対話」と「体験」を通じて、多様な価値観の中で自分に合う暮らし方を自由に探すこと。その意見やアイデアが、どこかで暮らす誰かのためになる日が来るかもしれません。ぜひ、皆さんも生活者のひとりとして、おうちdeおウチ Lab.が考える「暮らしのアップデート」を体験してみてください。